2016年6月21日火曜日

「ハッピーボイス・キラー」を観た


2014年 アメリカ映画
監督:マルジャン・サトラピ 主演:ライアン・レイノルズ


いろんな翻訳が一段落したので、前から気になっていた映画を観ました。生首が喋るという点がやたら強調されています。
DVDにて観賞。若干ネタバレ注意です。


あらすじ

ジェリー・ヒックファン(ライアン・レイノルズ)はバスタブ工場に勤める、風変わりな青年。しゃべるペットの犬と猫に唆されながら、裁判所が任命した精神科医ウォーレン博士(ジャッキー・ウィーヴァー)の助けを借り、真っ当な道を歩もうとしている。彼は職場で気になっている女性フィオナ(ジェマ・アータートン)に接近する。だがその関係は、彼女がデートをすっぽかしたことをきっかけに、突如殺人事件へと発展してしまう。慌てて証拠の隠滅を図るが、ジェリーはさらに暴力の世界へと引きずり込まれていく。そんな折、彼が本当に愛したたったひとりの女性リサ(アナ・ケンドリック)と仲良くなるが、邪悪な猫と慈悲深い犬という2匹のペットに導かれ、選択を迫られる――正気を保つために努力するか、それともはるかに邪悪な道に溺れていくか。 
(公式サイトより)



ダークコメディの類ですがどちらかというとコメディタッチのサスペンスと言った方が正確かもしれない。軽めのノリで話が進むがギャグは少なめ。扱ってるテーマは割りとシリアス。自分の意に反して人を殺してしまうサイコキラーの内面や精神構造を犬やネコ、そして生首に喋らせることで映し出している。ペットの犬が良心、ネコが誘惑を担っており、自分が殺した人の生首は恐らく後ろめたさや言い訳を表している。自己の存在理由や良心の呵責などを犬ネコと話す間の抜けたギャップがこの映画の売り。自分の内なる声に耳を傾けるコメディ色のある作品ということで「フィルス」と似ているかもしれない。なんとなく「ドニー・ダーコ」も思い出す。

また、喋る動物というと「サブリナ」を思い出す。恐らく、ああいうのへのパロディも少なからず意識されてるんだと思う。「ネコが喋るなんてまともじゃない」けど「まともじゃないからネコが喋る」という具合に。

予告で観るほどオシャレでもないしコメディとして期待すると少し退屈かもしれないが中盤から徐々に入り込めて面白かったと思います。

ところで主演のライアン・レイノルズってデッド・プールなんですね。観たいなあ。


面白かった翻訳
"Scrummy! God Save The Queen!" 
「万々歳ね」(吹き替え版)

生首フィオナがジェリーが食べた朝食シリアルに対して言った一言。
フィオナはイギリス人。意味合いを大きく変えずに原文の“Queen”の仰々しさを残しつつ日本人の耳に違和感のないように処理した見事な吹き替えだと思います。

"Scrummy"って始めて聞きましたが"scrumptious"(ステキ)と"yummy"(おいしい)の融合語だそうです。利口になった。


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