2016年4月23日土曜日

都会の牙/D.O.A (1950)





主演:エドモンド・オブライエン 監督:ルドルフ・マテ 


「なぜ私を殺した!」
遅効性の毒を盛られた男が残されたわずかな時間で真実を求める硬派なサスペンス。

あらすじ

小さな町の会計士フランク・ビグロウは秘書兼恋人のポーラの愛を重く感じ、逃避のためにサンフランシスコへ旅に出る。旅先で女を引っ掛け大はしゃぎのビグロウであったが翌朝体調を崩し病院に行くと何と毒を盛られていたことが発覚。残された寿命はせいぜい1日。突然死と向き合う羽目になったビグロウはわずかな残り時間で事件の真相を追究する。なぜ彼は殺されたのか?





登場人物

※極力抑えますが少しネタバレ入るかもしれません。

多いので整理。

フランク・ビグロウ・・・極普通の会計士。全く心当たりがないまま何者かに毒を盛られる。駆け引きが上手く驚異的な推理力を見せる。なぜか射撃も上手い。恋人ポーラの愛を重く感じていた。

ポーラ・ギブソン・・・ビグロウの秘書兼恋人。ビグロウのことをプライベートではフランク、仕事ではビグロウさんと呼ぶ。とても優しい女性だがビグロウにはそれが少し重かった様子。常にビグロウを気に掛けており、彼の異変にもすぐに気付くがさすがに死ぬことになったとは教えてもらえない。

ユージーン・フィリップス・・・旅行中のビグロウと必死で連絡を取ろうとした男。ポーラもビグロウも面識はなく用件は見当もつかなかった。直後に自殺をする。

フォスター・・・フィリップスの秘書。

ハリデー・・・フィリップスの会社の経理。諸々の対応に追われているところでビグロウの質問攻めに遭い不快感を顕にする。

フィリップス夫人・・・ユージーンの妻。ハリデー同様必死すぎるビグロウの心無い質問に憤慨する。

スタンリー・フィリップス・・・ユージーンの弟。素直な好青年で兄を慕っていた。もしかしたら弟ではなく兄かもしれない。

マーラ・ラクービアン・・・三流モデル。フィリップスが執心していた。口も頭も悪い。

ジョージ・レイノルズ・・・フィリップスの取引先。フィリップスは彼からイリジウムを買い取った。取引後所在が不明になる。

マジェック・・・フィリップスからイリジウムを買った男。名前の日本語表記はマジャクが正しいかもしれない。

ジーニー・・・ライブハウスでビグロウがナンパした女性。“Easy”が口癖。ビグロウに約束をすっぽかされる。しかも体調を崩す前である。



死に行く男が死にながら自分の死の真相を探るという設定が面白い。前半30分はかなりゆったりと進むが死の宣告を受けてから一気に物語が加速する。何気なくすごしていた日常と突然訪れた死の運命が見事に対比されている。前半は本当にゆっくりで80分程度の映画なのにジャズの演奏に5分くらい割いている。しかし推理パートに入るととたんにテンポが速くなり、次々とパズルが埋まっていき非常に痛快。ところどころB級感もあり、ミステリー慣れした人には突っ込みどころも多いかもしれないが事件の真相が分かったときにはちゃんとすっきりできる作りになっていると思う。ロマンスの要素も少なからずありポーラの一途さと死に行くビグロウのすれ違いに胸が苦しくなる。

短いが見所の多い映画だと思います。





0 件のコメント:

コメントを投稿